こんにちは。
心理カウンセラーの蒼乃勇信(あおのゆうしん)です。
さて、最近は書店でもコンビニの書籍コーナーでも
「自己肯定感を高める」という趣旨の本をよく見ますね。
自己肯定感はざっくり言うと
「自分はこれで良いんだ」
という感覚です。
この感覚をもっていると、
ちょっとしたことで凹んだりしません。
「自分はこれで良い」なので、失敗を恐れずに
仕事でもチャレンジできますし、
人間関係でも自分を出していくことができます。
人間関係で悩みがちな人からすれば、
喉から手が出るほど欲しいものではないでしょうか?
しかし、市販されている本を数冊読んでみると、
少し危険だなと感じることがあります。
皆さんにも注意いただきたいので、
本日はその点についてご紹介します。
「自分の良い面に注目しましょう」は危険
結構、多くの書籍では
「自分の良いところに注目しましょう」
「自分ができることを○個挙げましょう」
というワークが紹介されています。
自己肯定感が低い人は
自分の良くない面に注目しがちなので
良い面に目を向けてバランスをとる
という意図だと思います。
もちろん、これは必要な過程だと思います。
しかし、ひたすらこれだけで
終わっていると危険だと思うのです。
以下、理由を2つお伝えします。
理由1.「自分の良くない面」に直面するとぶり返す
良い面を挙げていくことで
気分が改善してくるかも知れません。
「自分にはこんな良い面も
たくさんあったんだ」
そう思って自分に多少自信がもてるでしょう。
しかし、現実に戻れば
自分の良くない面にも
どうしても直面することとなります。
この時、良い面だけに意識を
シフトしていた人は、
突然良くない面を突きつけられて、
「あ、そうだ自分はこんな
ダメなところがあったんだ」
とぶり返しを経験するのです。
そうした時に、一旦良くなった気分は
簡単にまた悪化してしまいます。
これは私も経験がありますが、
一旦良くなった気分が悪化するのは
思っている以上にダメージが
大きいものです。
そして、
「やっぱり自分は変われないんだ」
という暗示がかかってしまうのです。
自分は何をしても変わることができない
ということを学習してしまうのです。
こうなると、最初よりも改善が
難しくなってしまいます。
理由2.無意識のうちに自分を否定してしまう
中には現実に直面せずに
自分の良くないと思っている面を
見ないようにする人もいます。
しかし、これも良くありません。
なぜなら、無意識に気づいているからです。
人は過去の経験で自分の一面を
否定された経験から無意識に
「こんな自分はダメだ」
というビリーフをもっています。
だから、見ないようにしたところで
無意識の部分でしっかり反応しています。
だから、気分はスッキリしません。
むしろ、
「自分はこんなに素晴らしい」
と顕在意識の中で自分に
必死で良いかせていると、
「こんな自分はダメだ」
という潜在意識との間に矛盾が生まれます。
この矛盾がメンタル悪化の
大きな原因になってしまいます。
そして、こういった不一致を
抱えている人は、
無意識に自分の一面を隠そうとします。
それが人目を気にしたり
漠然とした不安感や緊張感に
繋がってしまうのです。
問題は自分の一面だけを見ていること
問題は偏った見方をしていることです。
人間には良い面もあれば、
良くない面もあります。
自己肯定感が低い人は
悪い面ばかりを見ている状態です。
一方で良い面ばかりを見る
というのも偏っています。
自分の良い面と良くない面を
ありのままに見れることが
大切なのです。
そして、自己肯定とは
良い面も良くない面も含めた
自分全体を「これでいい」
と思えることです。
そして、気付いていただきたい
ことがあります。
それは、自分の一面を
「良い面」「良くない面」
と思っているのは、
自分がそう判断しているだけ
だということです。
良い悪いは相手や環境によって常に変動する
良くない面というのは、
相手や環境によっては
良い面にもなりえます。
一方で良い面というのも
相手や環境によって
良くない面にもなり得ます。
例えば、大人しい性格を
良くないと思っている人が
いるかも知れません。
それは、会社の中で自分の意見を
通さないと生き残っていけないような
環境であれば弱点になり得るかも
知れません。
一方で、それ以外の場面でも
必ず欠点になるでしょうか?
例えば、人によっては
大人しい人といる方が
落ち着くという人がいます。
かくいう私も妻は外向的で
良く喋るタイプですが、
物静かな私といると落ち着く
と言って気に入ってもらえた
という経験があります。
自分の話ばかりしないので
人の話をじっくり聞いて、
相手から感謝されるということも
よくあります。
つまり、特徴は特徴でしかなく、
それが相手や環境、状況により
上手く働いたり働かなかったりする
というだけのことなのです。
大切なのは、自分の特徴が
どういった場面で活きて、
どういった場面で対処が必要なのか
ということを把握することです。
それを意識的に使うことができれば
「自分はこれで良い」
という感覚は自然と身に付きます。
そして、その感覚が得られると
自分を活かすことが楽しくなり、
単に楽になるというよりも
日々の生活が楽しくなるのです。
そうすると心の体力がついてくるので
ぶり返しを気にする必要もありません。
こんなカウンセラーには引っかからないでください
世の中には、心理系の読みものを
数冊読んだだけで「心理学を学んだ」
と称してカウンセラーを名乗る人が多数います。
正直、理論理屈がどうであろうが、
皆さんの状態が良くなるのであれば
それはそれで良いと思います。
しかし、今回のお話の様に危険な手法を
そうとは知らずに伝えていることもあります。
そんなものに大切なお金と時間を
注ぎ込んで、挙げ句の果てに状態を
悪化させること等、あってはならないことです。
ご縁があってこの記事を読んで
いただいた皆さんには、
そういったカウンセラーに
引っかかって欲しくありません。
もし、カウンセリングやセラピーを
ご検討中であれば、是非一度私に
お話しする時間をいただければ幸いです。
あなたとお話しできることを
楽しみにしています。
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